そして現役選手としてやはり今後最も注目されるのが坂本だ。高校卒2年目からショートのレギュラーを獲得して5回の打率3割を誇り、首位打者と最高出塁率のタイトルも獲得している。昨年は初のシーズン40本塁打もマークしたが、ショートとしては宇野勝(中日)以来二人目の快挙である。今年で32歳となるが、あと5年くらいはショートのレギュラーとしてプレーできる可能性が高く、史上初となるショートで2000試合出場も十分射程圏内と言えるだろう。

 打撃、守備はまさに全盛期という印象だが、一つだけ気になるのが走塁面だ。2012年からは6年連続で二桁盗塁をマークしていたが、2018年は9盗塁、昨年は5盗塁と減少が著しい。このあたりの不安が払しょくされれば、名実ともに歴代最高のショートと言われる日は近いだろう。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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