例えば小雪に関しては夫で俳優の松山ケンイチとともに田舎でスローライフ生活を計画していると報じられている。長らく活躍したタレントはもはやテレビ出演にはこだわっていないようだ。また、柴咲に関しては、2016年に個人事務所を設立し、アパレルなどさまざまな事業を展開していた。その後、スターダストプロモーションとは芸能活動のみの窓口として契約関係が続いていが、ここにきてその提携も終了となったようだ。それでもドラマには引き続き出演しており、将来は安泰のように見える。

■金銭面のブラックボックスに嫌気!?

 一方、いまだ古い体質の残る芸能事務所ならではの「不透明性」に所属タレントたちが不信感を抱いているという意見も。民放テレビプロデューサーは言う。

「大きな収入となるCMなどの取り分は5対5だと言われていますが、その割に事務所スタッフは営業をかけるわけでもなく、来た仕事を横に流すだけになってしまっています。さらにスキャンダルから守ってくれるのか、と言われたらそれもない。テレビドラマに出ても視聴率が悪ければタレント本人のせいにされてしまう。現場のマネージャーは薄給で土日関係なく仕事をしてるので辛い面もありますが、こうした部分にも労働環境改善のため国から監視されており、そうなればますますタレントのケアはできない。結果的に『マネジメント契約の意味ってなに?』というところにたどり着くようです」

 長らく業界を見てきた芸能レポーターの城下尊之氏はこう分析する。

「若手で無名だった頃からしっかり育て上げ、売れた途端に独立する人がいたらそれは不義理としか言いようがない。ただ、昨今ではタレントの独立は止めにくいようになっています。女優や俳優たちも、例えば現場でいろんな監督やテレビのプロデューサーなどと知りあって、『次はこういう仕事をしましょう』と、直にビジネスの交渉をするようになってきていますから、事務所との関係を見直していくのは健全なスタイルだと思います。たしかにかつては、テレビや映画がマスメディアとして大きな力を持っていたので、交渉に立つためには芸能事務所のノウハウが必要でした。それが2000年をすぎたあたりから、芸能事務所も一般的なビジネスに変わってきて、一部上場する企業も出てきた。潮目が変わったんだと思います」

 さらに城下氏によれば、業界団体である音事協に加盟してない新興の事務所からも多くの売れっ子が出てくるようになったことも要因だとか。吉本興業の闇営業騒動以降、「エージェント契約」などの話も一般的に報じられるようになる中で、芸能ビジネスは令和に入り、一変したようだ。(今市新之助)