人間関係の矛盾に気づきすぎる10歳の娘…心配する母親に鴻上尚史が「正しい意見を言う必要はない」と断言した理由 (2/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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人間関係の矛盾に気づきすぎる10歳の娘…心配する母親に鴻上尚史が「正しい意見を言う必要はない」と断言した理由

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

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【鴻上さんの答え】
 ぷにこさん。素晴らしいお嬢さんじゃないですか。最近、こういう状態を「落ちこぼれ」ではなく「ふきこぼれ」と呼ぶことを知りました。

 サッカーの名監督・岡田武史さんが、通信制のN高の理事さんの言葉について、先日(2019年11月22日)、朝日新聞のインタビューで紹介していました。

「そんな学校には、これからの子どもは行かなくなるでしょう。学校に行けない子が、本当に今の社会の落ちこぼれなのか。社会の方が、適応できていないんじゃないか。通信制のN高が人気だけど、その理事が言うには、そこに通う子どもは落ちこぼれではなく、優秀すぎたり何かに特化したりして自分の生き方を選択している、上からの『ふきこぼれ』だと」

「そんな学校」というのは、細かい規則に縛られて、生徒を押さえつけるようになっている現状の学校のことです。

 意識が高いからこそ、鋭いからこそ、上から「ふきこぼれ」た子どもは、高校生だろうが小学生だろうが、います。年齢は関係ないのです。

 イギリスBBCニュースが、学校の細かな規則が「不登校」の原因の代表的なひとつだと、去年報じました。じつは、みんな気づいているのです。そういう意味では、いい時代になってきたと思います。

 さて、ぷにこさん。ぷにこさんは娘さんの「鋭さ」を気にして、「これからどうやってサポートしていくのがいいのか悩」んでいるんですよね。

 でも、僕から見れば、今、ぷにこさんがやられていることは満点だと思います。

 ぷにこさんは、「あなたのいうことは正しい、と言って伸ばしてあげたい気持ち」もあるけれど「なにせ10歳なのでそのまま愚直に突き進んで世間につぶされたりする危険も高い」から、「独善的に自分が正しいと主張したり怒ったりすることを奨励するのは少し違うな」と思うんですよね。

 その通りだと思います。お嬢さんの話を聞いて、「それはもっともだ」という場合と、「それは独善的だ」と感じることを、ちゃんと分けて伝えることは大切なことです。


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