というのも、体重が極端に減ってしまうと馬力が違ってくる。相手に加える圧力と言うか、やられても耐えられるはずなのに耐えられなくなる。体重が馬力に直結するわけだから、ガンガンガンって叩いて、ヒーッって逃げたヤツをガバッってやって、ものすごい楽。擬音だけでわかるだろ?(笑) 

 だから馬場さんくらい体が大きいと向かうところ敵なしで楽だっただろうね。体重、140キロ位はあったからね。そんなにあるように思わないだろ?馬場さんが体重計に乗ったときに「え?馬場さん142キロもあるの??」ってビックリしたのを覚えているよ。

 食べることの延長になるけどジャンクフードは食べない。プロレスに入ってアメリカ修行時代に現地の選手たちが、チキンでも皮の脂身のところは食べなかったり、胸肉しか食べないとか、プロとしての徹底した食生活が頭にインプットされて、練習のあとにプロテインを飲むのもアメリカ修行で知った。その流れで、娘が小学生のころは、朝飯にプロテインを飲ませて学校に送り出していたからな(笑)。ハンバーガーとかも食べなかったね。ミンチの肉は食べない。家の食卓にもハンバーグやミートボールは出なかったね。アメリカで選手たちの食生活を見て、こういうふうにしなきゃいけないんだって勝手に思ったんだよね。

 それ以外に気を付けていること?何もないな……息をしているだけ(笑)。体を動かさないとご飯が美味しくないから最低限のことはやっているよ。せっかく女房が作ってくれるご飯だから美味しく食べたいっていう気持ちはいつもある。

 人生最後の食事に何で食べたいかって?………プロテイン飲んでから死にたいな(笑)。俺が自分で作ったやつだよ、ちゃんとシェイクして。リンゴ、ヨーグルト、牛乳とプロテイン大さじ3杯。あ、アイスクリーム入れると美味しいんだよ!って何、いってんだか……。

 生涯現役。これは、プロレスは無事に終えられたけどね、決して人生が終わるわけじゃないから、そこは間違っちゃいけない。いつ終わっちゃうかわからないのも人生だけど、でもその日まではアエラさんでも好き勝手語らせてもらいながら楽しく、今できる生涯現役を貫いていきますよ!(笑)

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天龍源一郎

天龍源一郎

天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。

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