何となくですが、この自粛期間中、ドラマの番宣番組なんかに引いてしまう視聴者がいるんじゃないかと気になっているんですよね。こんなときに宣伝なんかしてるの?って思われていないだろうか。全員がそうだと言うわけじゃありませんが、嫌気がさしている視聴者がちょっと出てきているような気がしています。

 もちろん僕は地上波が大好きで、そこで仕事がしたくてやっているんだけど、コロナショックが終わった後、テレビの制作や番組の内容ががらりと変わっているんじゃないか。時代の転換期になる可能性があると思っています。

 コメンテーターや専門家がリモートで参加する番組も増えましたよね。まだちょっと違和感はあるけど、「あれ? これスタジオにいなくても成立しているな」と思いませんか? あれだってネットが出てくる前は、中継車を出さなきゃいけなかったことだし、Zoomのようなウェブ会議だって、一昔前は夢の世界でした。テレビも前例とかこうすべきというものを取り払えば、ネットを使ってもっといろんなことができるようになるとお思います。さらにこのタイミングで動画配信やユーチューブを始めるタレントさんも増えています。スポンサーも、コロナ禍でネットに力を入れていると聞きます。

 テレビに関わる人たちがこの風を読めるかどうか。新たな知恵を出せるかどうか。コロナショックが長引けは、会社が潰れて人もいなくなるので、今をどう乗り越えていくかにかかっていると思います。

 結構、メンタルの強い僕でも、ちょっと心をやられているというか、気持ちが沈んでいるところがあります。専門家の中には、1年や2年では収束しないと言う人もいるので、心の病気になる人もだいぶ出るんじゃないかと思う。それも心配です。なるべく早くこの状況を改善するためにも、今が踏ん張り時なんだと思います。

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カンニング竹山

カンニング竹山

カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。本名は竹山隆範(たけやま・たかのり)。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在はお笑いやバラエティー番組のほか、全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ。単独ライブ 「放送禁止2017」が9月21~24日、東京・品川の天王洲銀河劇場で開催(撮影/写真部・小原雄輝)

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