症状が続く場合や症状を強く自覚する場合は、我慢せずに病院を受診しましょう。尿検査を行い、膀胱炎と診断されれば、抗菌薬が処方されます。


 
 膀胱炎を引き起こす要因としては、体調不良や免疫の低下、水分摂取の不足、トイレを我慢する、性行為などがあげられます。

 マイアミ大学のHooton氏らは、1.5 リットル/日未満の水分をあまり摂取しない女性が1日に飲む水の量を1.5 リットルに増やしたところ膀胱炎の再発が減ったと報告しています。具体的には、1年間の膀胱炎の平均発生数は飲水量を増やした群では1.7回、増やさなかった群では3.2回であって、飲水量を増やした群では膀胱炎に対する抗菌剤の使用も減ったとのことでした。

 ですから、水分を十分に摂取することはもちろん、疲れているときは休む、トイレを我慢しすぎない、陰部を清潔に保つことといった日常生活での心がけが、膀胱炎を予防する上で大切です。

 女性にとっては身近な疾患といっても過言ではない尿路感染症。日常生活で出来る予防を是非とも心がけてくださいね。

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山本佳奈

山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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