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「最近の選手は死球の避け方が下手」張本勲氏の主張は本当か検証した

西尾典文dot.
巨人・坂本は厳しいマークの中でも死球の数が多くない選手の一人 (c)朝日新聞社

巨人・坂本は厳しいマークの中でも死球の数が多くない選手の一人 (c)朝日新聞社

 では現役選手のホームラン数上位10名を見てみるとどうだろうかーー。

■現役選手通算本塁打数10傑
1位:中村剛也(415本塁打) 82死球 死球率.012
2位:バレンティン(288本塁打) 15死球 死球率.004
3位:福留孝介(280本塁打) 49死球 死球率.006
4位:松田宣浩(274本塁打) 56死球 死球率.008
5位:中田翔(226本塁打) 43死球 死球率.008
6位:坂本勇人(223本塁打) 32死球 死球率.004
7位:山田哲人(202本塁打) 38死球 死球率.009
8位:内川聖一(196本塁打) 60死球 死球率.008
9位:中島宏之(195本塁打) 134死球 死球率.020
10位:ロペス(186本塁打) 22死球 死球率.006

 この数字を見てみると現役選手ながら通算死球数トップ10に入っている中島は高い死球率を記録しているものの、それ以外の選手は目立って多いわけではない。特にシーズンホームラン日本記録を保持しているバレンティンや、昨年40本塁打を記録した坂本などは非常に低い死球率を誇っている。特にバレンティンは日本での9シーズンでわずか15死球という数字は意外なほど少ない。これはホームベースから離れて立ち、そこから踏み込んでいくスタイルのため、余裕を持って内角のボールを避けることができている賜物であると言っていいだろう。

 古田敦也(元ヤクルト)が正捕手となってから、日本球界では相手打者の弱点を徹底的に突く配球が急増した。その結果として内角を苦手としていた清原には死球の数が多くなり、それが日本記録を更新する結果となった。またツーシームのようなシュートしながら打者の内角を突くボールが増えたことが、近年の強打者に対する死球の増加にも繋がっていると言えるだろう。

 しかし改めて過去の記録と比較して見ると、現役の打者が目立って死球が増えているというわけではない。福留、坂本、内川などは相手の厳しいマークの中でもしっかりと死球を避けて、長年コンスタントに好成績を残している。また現役でも成績が上位の選手は死球が原因で長期離脱を繰り返しているようなことはない。このことから見ても、張本氏の発言はあくまで印象論に過ぎないことがよく分かるだろう。


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