昨シーズンまで巨人に在籍したゲレーロ (c)朝日新聞社
昨シーズンまで巨人に在籍したゲレーロ (c)朝日新聞社

 新型コロナウイルスの影響でいまだに開幕の見通しが立たない今年のプロ野球。しかしここまでのキャンプ、オープン戦、練習試合で既にある程度弱点が見えてきている球団も少なくない。そうなるとシーズン中の緊急補強というケースも出てくるが、そうなった時に獲得しやすいのが日本でプレー経験のある外国人選手だ。そこで、昨年限りで退団した外国人選手の中から再び日本球界で活躍する余地のある選手はいないのか探ってみたいと思う。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 リリーフの整備に課題のある球団は少なくないが、そんなチームにまずおすすめしたいのが昨年広島でプレーしたレグナルトだ。わずか1年限りでの退団となったが、52試合に登板して6勝3敗15ホールドをマークしている。シーズン開幕当初は負け試合での登板が多かったが、デビューから19試合連続自責点0と抜群の安定感を見せて、一時は勝利の方程式も担っていた。スピードはコンスタントに140キロ台後半をマークし、話題となったパワーカーブだけでなくスライダー、チェンジアップも決め球として使えるボールだった。夏場以降に大きく調子を落として最終的な防御率は3.34まで悪化したものの、シーズン序盤に見せたようなピッチングができれば、十分に中継ぎの一角として期待できる。元広島のリリーフ投手では今年ジャクソンがロッテで日本球界復帰を果たしているが、他にもサファテ(西武ソフトバンク)、ミコライオ(楽天)、ヒース(西武)などが他球団で活躍しており、そういう意味でも信頼感があると言えるだろう。

 リリーフ投手でもう一人おすすめしたいのがドリス(元阪神)だ。2016年に来日。4年間で208試合に登板して13勝18敗96セーブ28ホールドをマークしている。通算防御率2.49も十分に及第点を与えられる数字だ。昨シーズンはリーグワーストとなる7暴投を記録しているようにコントロールには多少の不安があり、フィールディングも弱点だが、常時150キロ台後半をマークするストレートの勢いは日本球界でも上位だ。また最多セーブのタイトルを獲得した2017年には63回を投げて85奪三振をマークしているように、三振を奪えるという点も魅力がある。アメリカ球界からも評価されてメジャー復帰となったが、もし早い段階でリリースされるようなことがあれば、獲得に動く球団が出てきても全くおかしくないだろう。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ
まだまだいるぞ活躍しそうな“元助っ人”