左から「半沢」の堺雅人、「麒麟」の長谷川博己、「エール」の窪田正孝(C)朝日新聞社
左から「半沢」の堺雅人、「麒麟」の長谷川博己、「エール」の窪田正孝(C)朝日新聞社

 コロナショックが世界中で猛威を振るうなか、その影響は我々の生活だけでなく、日本のエンタメ業界にも暗い影を落としている。

【写真】「半沢」の大ヒットの秘訣は土下座にあり。この人も土下座

 4月期のドラマで最注目と言われていた「半沢直樹」の続編が、感染拡大に鑑み放送延期となったのだ(19日スタートが現時点で未定)。また、同じTBSのドラマ「私の家政夫ナギサさん」や「MIU404」も第1回目の放送を延期。3月31日にTBSに勤務する60代男性の派遣スタッフに陽性反応が出たことで、感染防止対策をより一層強化し、徹底するための措置だという。

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 ドラマ制作のロケ現場には、そこまで甚大な影響が出ているのか。民放ドラマ制作スタッフは次のように言う。

「早朝にスタートし深夜終わるのが当たり前の撮影現場において、どうしても疲れがたまり免疫力が落ちるので、ウイルスをもらいやすいというのがあると思います。とくに『半沢直樹』はオフィスが舞台なので、出演者やエキストラも多い。カメラの台数が多く、スタッフもおそらく民放ドラマでは断トツで多いでしょう。コロナは接触感染が主流と言われていますが、こんな大量の出演者に対してヘアメイクやスタイリストが日々接触せざるをえないわけですから、ある意味防ぎようがない。撮影現場でクラスター感染が起こると、撮影続行は当然不可能になるでしょう」

 加えて、コロナの影響で撮影に使う建物が借りられなかったり、ロケ先の消毒に膨大な時間と手間がかかるという事情もあると言う。

「結果、新たにセットを組んで屋内ロケに変更せざるを得ないこともあります。いま、スケジュールをゆるやかにすることで、安全な撮影スタイルを仕切りなおそうとしているのでしょう。ただ、7年間待ちに待った『半沢直樹』の続編なので、30%以上の高視聴率を獲ることが至上命題。いちファンとしても、放送が延期になることでトータルの話数が減ることだけはなんとか避けてほしいです」(前出のスタッフ)

 一方、NHKでは大河ドラマ「麒麟がくる」と連続テレビ小説「エール」の収録を4月12日まで一時休止することを発表。「直ちに放送が休止することにはなりませんが、今後の放送予定については、適宜お知らせいたします」とNHKは発表した。民放ドラマを手掛ける脚本家は言う。

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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「麒麟がくる」は本当に呪われている