それなら今は非常事態であり、国難。命が一番大事です。政府と東京都はまずオリンピックを延期した場合と、中止した場合のお金のシミュレーションを公表する。まかり間違って延期より中止のほうが金がかからないのであれば中止にして、準備のための金を今、国民にばらまく。誰にいくら払うか考えていると時間がかかるから、金持ちも低所得者も差をつけずにスピーディーに。そして確定申告のときに、収入が多かった人からは多めに税金を取るようにすればいい。それでもだめなら消費税を落とす。

 今、家賃も払えない、事業の支払いができないという人がどのぐらいいるかわかりませんが、国民を助けないでオリンピックどころじゃないですよ! そんなオリンピックは誰も望んでいない。そもそも当初掲げていたコンパクト五輪でも復興五輪でもないんだから。先にそろばん弾いて、結果を公開してすぐにでも国民に金を出す。政治家の責任として誰かがバンッとやらないと、いつまでももたもたしていたら間に合わないですよね。

 大事なのは、シミュレーション結果を公表することだと思います。政府のコロナ対策は何を材料に判断したのか示されないから、「五輪をやりたいがためにPCR検査を渋った」とか「感染者数を公表していなかった」って言われてしまう。本当はそうじゃなかったとしても、真実がわからないから噂が立ってしまうわけです。

 同時に、もう一つ思うのは、政治家は今は喧嘩をするな!ということ。野党も与党も、原発反対も推進も今はない。みんなが同じ命を一つずつ持っているんだから。「安倍さんが嫌い」「小池さんが嫌い」というのは騒動が終わった後になんぼでも言えばいい。選挙をして嫌なやつは落とせばいい。とりあえず今はみんなで知恵を出すときです。国民ができることは、自粛すること。その分、政府は急いで金をばらまく!

 森友学園の決裁文書の改ざん問題だけは、第三者委員会を立ち上げて再調査すべきだと思います。やましいことがないなら、それこそ調査させればいい。でも、それ以外の安倍首相の「桜を見る会」と昭恵夫人の"桜を見る会"は、コロナ騒動が終わったあとでいい。それを自民党に約束させて、あとは協力して対策を進めてほしいです。

 日本は島国だからいい意味で人の行き来を止めるための手間は少なくて済んだはずなのに、政府の入国規制は遅かったと誰もが感じているでしょう。春節の後も「中国からの入国を止めよう」という声は出ていたのに……。またそうならないためにも、1カ月後の日本を守るためにも、とりあえず急げと言いたい。緊急事態宣言を出せ、金を配れ、オリンピックの判断をしろ。この3つだと思います。

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カンニング竹山

カンニング竹山

カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。本名は竹山隆範(たけやま・たかのり)。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在はお笑いやバラエティー番組のほか、全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ。単独ライブ 「放送禁止2017」が9月21~24日、東京・品川の天王洲銀河劇場で開催(撮影/写真部・小原雄輝)

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