岡野もオープン戦で2試合に登板し、6回を投げて自責点0と結果を残した。3月10日のオリックス戦では先発して4回を2失点(自責点0)で負け投手となったものの、味方のエラーに足を引っ張られた格好で、そんな中でもしっかりと試合を作った。制球力の高さと走者を背負ってから粘れる点は社会人で万全の実績を残してきた自信を感じさせる。今年で26歳となるだけに、1年目から勝負の年となりそうだ。

 リリーフでは津留崎大成、滝中瞭太(ともに楽天)、鈴木健矢、長谷川凌汰(ともに日本ハム)、伊勢大夢(DeNA)、橋本侑樹(中日)、杉山晃基、大西広樹(ともにヤクルト)などが一軍でアピールを続けているが、意外なところで面白いのが育成指名の長谷川だ。オープン戦ではチームトップタイの5試合に登板し、5回を投げて被安打わずかに2、無失点と結果を残した。3月22日の西武との練習試合では先発に抜擢されて2回途中、6失点と打ち込まれたものの、26日の西武戦(ファーム練習試合)では1回を無失点と好投している。大型だがフォームに無駄がなく、低めへの制球も安定している。現在のようなピッチングを続けられれば、早い段階での支配下登録、そして勝利の方程式に食い込むことも十分に考えられるだろう。

 投手に比べると毎年野手の即戦力は多くないが、そんな中でも筆頭に挙げたいのが郡司裕也(中日)だ。オープン戦ではチームトップとなる10試合に出場し、打率.357と見事な数字を残して見せた。大学最後のシーズンで三冠王に輝いているが、確実性と長打力を備えたバッティングはプロでも十分に通用している。スローイングに凄みはないものの、落ち着いたプレーぶりはルーキーとは思えない。ライバルとなる加藤匠馬、木下拓哉、大野奨太などがいずれも結果を残せていないだけに、いきなり正捕手の座をつかむ可能性も十分だ。

 郡司以外の野手では佐藤直樹(ソフトバンク)、小深田大翔(楽天)、福田光輝(ロッテ)、勝俣翔貴(オリックス)、宇草孔基(広島)などが結果を残している。リードオフマンタイプが多い中で、意外性のある選手として注目したいのが勝俣だ。オープン戦では打率.222に終わったものの、放った4安打のうち2本がホームランと持ち味を十分に発揮した。サードのポジションは2年目の中川圭太がレギュラー候補だが、長打力に関しては勝俣の方が上回っているように見える。リードオフマンタイプが多いオリックスの内野手争いの中で、この二人によるサード争いは大きな見ものになりそうだ。

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