田村耕太郎さん
田村耕太郎さん
あれ、これって私の悪口?(※写真はイメージです buritora / PIXTA(ピクスタ))
あれ、これって私の悪口?(※写真はイメージです buritora / PIXTA(ピクスタ))

「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークアンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、シリーズ75万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。

 日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「ネットに悪口を書いた親友」について。

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【相談】
 田村さん、こんにちは。私は50代の女性です。

 20代のころから付き合いのある友人のことで相談をさせてください。

 彼女は今、重い病気にかかっており、あと何年生きられるかわからない状態です。寝たきりの状態で、私も折に触れて彼女のお見舞いに行ったり、ご家族のお手伝いをしたり、精いっぱいのことをしてきました。

 そんななか、彼女の病気についてネットで調べていたときのこと、彼女の闘病ブログを見つけました。

 病気と闘っていること、日々の喜び、たくさんのことがつづられていたのですが、そんななか、私に対する愚痴のようなものを彼女が書いていたのを見つけてしまったのです。

「M子(私のこと)が来ると疲れる」といったことから、「M子の話に付き合うのはつらい」といったようなことです。

 まさか彼女がそんなことを思っていて、しかも不特定多数の人が目に触れるようなところに書いていたことに、強いショックを受けました。

 それを見てから、「彼女にとって、私は親友でもなんでもなかったのだ」と涙が止まらなくなり情緒不安定の状態が続いています。

 病気になる前の彼女はこんなことはありませんでした。なぜこんなことを書き込んだのでしょうか。

 彼女に、このブログを見てしまったこと、そしてとてもつらい思いをしていることを伝えるべきでしょうか。ただ重い病気の彼女に、こうしたことを伝えることは、自分がスッキリしたいだけのエゴのような気もします。

 彼女にはこれ以上余計なストレスを与えたくはありません。

 でも言わないでいると、私がストレスでどうにかなってしまいそうです。彼女を嫌いになってしまいそうです。

 どうしたら、彼女を許し、わだかまりなく過ごすことができるでしょうか。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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