“反応癖”に悩む25歳女性に鴻上尚史が「本当に変わりたいのか?」と聞いた理由
連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」
自分の意見を否定されると、自分の存在まで否定されダメ出しされている気分になっていつまでも落ち込んでしまうと悩む25歳女性。この癖を直したいという相談者に、鴻上尚史が分析した、「反応癖」の正体。
【相談61】意見を否定されると、自分まで否定された気持ちになる癖を直したい (相談者・25歳 女性 かなこ)
鴻上さん、はじめまして、いつもこのコーナーに励まされています。
今回は私の悩みを聞いてもらえればと思っています。
私の悩みは、小さい頃から人の言葉にすぐに反応してしまい、いつまでもくよくよしてしまうことです。
学生時代のゼミの話し合いで発言した自分のアイデアにいい反応がなかったり、違う人の意見が通ったりすると、発言しなければよかったといつまでも後悔してしまうのです。所属している演劇クラブで何気なくする会話でも「あの俳優が好き」という私の言葉に同調してもらえなかったりすると、なんだかすごい気持ちが落ち込み、ずっと気にしてしまいます。台詞について提案しても「それはここに必要ないでしょ」と否定されると、自分にすごいダメ出しをされている気持ちになります。
そうではないのでしょうが、自分の存在を否定されているような気持ちになっていちいち落ち込んでしまうのです。でも私のこの心の癖は、本当に疲れるので、この自分のどうしようもない癖をなおしたいです。
SNSでも「いいね」がつかないと落ちつかず、どこでも何度も確認してしまうのですが、そのことに母親がキレて、食事中にスマホを取り上げられて庭に投げられ、大げんかになったこともありました。
自分だって、いちいち周囲の言動に振り回されて落ち込みたくないです。自信をもって生きられたらと思います。
鴻上さん、どうしたら、この反応癖をなおせますか?
【鴻上さんの答え】
かなこさん。変わりたいですか? 僕がかなこさんにアドバイスする前に、「本当に自分は変わりたいのか?」と、今一度、問いかけてみてくれませんか。本当に人の言葉に反応していつまでもくよくよする癖をなおしたいのか? 本当に人の意見に惑わされない人間になりたいのか?
