藤浪晋太郎は今度こそ復活の期待に応えられるか (c)朝日新聞社
藤浪晋太郎は今度こそ復活の期待に応えられるか (c)朝日新聞社

 阪神・藤浪晋太郎の“復活劇”は夢に終わるのか。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」は巨人のこの選手!

 秋季キャンプから「完全復活、間違いない」と言われてきた。しかし年が明けて実戦形式での登板が増えると、雲行きが怪しくなった。

 オープン戦初登板となった2月23日、広島戦でいきなりの背信投球。連打後に四球、四球、死球の2連続押し出しをやってしまった。

「ブルペンでは誰もが驚くほどの素晴らしい球を投げる。これはプロ入り当時から変わらない。しかし実戦マウンドでは、いきなりスイッチが切り替わったかのように悪くなる。しかも、悪いのレベルが想像以上。ちょっとした逆球なんてものではなく、狙わないといかないだろう、というくらいのノーコン。正直言ってかなり厳しい状態で、好転するかどうかもわからない」

 今年は特に期待度が大きかったこともあり、阪神関係者は失望感を隠せなかった。

 藤浪は昨オフから精力的に新しいことにも挑戦し、復活への希望を見つけようとしてきた。メジャーで流行している「ドライブライン・ベースボール」の動作解析を導入。上半身裸にセンサー装着で投球を行う姿は話題になった。

「あれは肩、ヒジの負担を減らした投球フォームを見つけるための動作解析システム。果たして、今の藤浪に必要があったかどうか疑問が残るような光景だった。もともと身体は丈夫な選手だから、負担軽減よりも制球力アップが先ではないか、という声も聞こえていた」(阪神担当記者)

 プロ1年目から4年間は中心投手として20試合以上、先発として投げてきた。しかし、2017年以降は不調も重なって登板数は減少し、昨年はわずか1試合の登板に終わった。登板過多による勤続疲労という線は薄い。現在必要なのは負担軽減ではなく、技術的なものではないか、というのもわかる。

 また、秋季キャンプから参加した元中日・山本昌臨時コーチのもとで投球スタイルの見直しにも着手。腕の使い方の改善などで制球力アップを目指しているが……。

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