谷沢、井口といった球史に残る名選手はいるものの、三人が揃って活躍した例はないことがよく分かる。またプロ入り拒否の選手が出たため除外した1977年の法政大の三人も含めて、全て投手が入っており、野手三人というのは法政三羽ガラスだけである。

 また他のケースでは2003年のドラフトで早稲田大から同時にプロ入りした鳥谷敬(ロッテ)と青木宣親(ヤクルト)が揃って名球会入りを果たしているが、青木はドラフト4巡目の入団であり、また同時にプロ入りした比嘉寿光(広島3巡目)、由田慎太郎(オリックス8巡目)はプロで結果を残すことができていない。プロ入り時点から評価が高く、そのままプロでも一流の成績を残す選手が三人同時に出現することは異例中の異例と言えるだろう。

 しかしどんなに難しいと言われる記録や事例も更新されていくのがスポーツの世界である。今後、新たな時代の三羽ガラスが出現してくることにも期待したい。(文/西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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