3.11より悲惨… “コロナ自粛”で窮地の福島のライブハウス「9年前は音楽の力を感じたのに」 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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3.11より悲惨… “コロナ自粛”で窮地の福島のライブハウス「9年前は音楽の力を感じたのに」

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上垣喜寛dot.#新型コロナウイルス
※写真はイメージです(getty images)

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「クラブソニックいわき」外観

「クラブソニックいわき」外観

 死者・行方不明者、震災関連死を含め、2万2167人が犠牲となった東日本大震災から9年。沿岸を津波が襲った福島県いわき市では、うち468人が含まれる。東京電力福島第一原発事故では、原発立地に近い12市町村から1万9101人の避難住民を受け入れた一方、いわき市から市外に避難した住民も2761人にのぼった(『いわき市災害対策本部週報』3月4日発表)。

【写真】イベント中止が相次ぐライブハウス「クラブソニックいわき」

 地震に津波、そして終わりの見えない原発事故。誰もが経験したことのない出来事から、一つずつ暮らしの再建を進めてきた。だが、震災から9年が経った今、新たな“天災”が市民の生活を追い詰めている。新型コロナウイルスによる経済被害だ。

■「このハコ、続けられっかな」9年前の思い、再び

「真っ暗なトンネルの中に入り込んだようなものですよ」

 いわき市を拠点に音楽関連イベントを企画運営する「ソニックプロジェクト」の関野豊社長(54)は、こう話す。

 関野さんは、いわき市の「クラブソニックいわき」ほか県内外で計3軒のライブハウスを経営している。日々開催されるイベントチケットの売り上げと、ドリンク類の販売がおもな運営経費になる。そんなライブハウスにとって、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて政府が呼びかけたイベント中止要請の影響は大きい。3月11日には東日本大震災に関する企画を準備していたが、2月29日に延期を知らせる投稿をした。

「いやぁ、精神的には9年前よりしんどいです」

 毎日チケットの払い戻しとイベント中止の対応に追われる関野さんは、当時をこう振り返る。

「9年前は『みんなでがんばろう!』というムードがありました。それが、今回はライブを開催しようものなら『迷惑なやつ』扱いされてしまうような状況。しかも、いつ終息するかわからない」

 東日本大震災の時もイベント開催の自粛が相次ぎ、「このハコ(ライブハウス)続けられっかな」と途方にくれる日々が続いたという。ただ、そんな時だからこそ「出演者の参加費、入場費無料のライブイベントを開催しよう」とスタッフが企画し、ツイッターで呼びかけた。すると、続々と支援の声が届いた。「何かできることをしたい」と集ったミュージシャンのなかには、プロとして活動する有名バンドのメンバーが、個人の活動として参加してきたこともあった。


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