多くの団体を見てきたGOSAMARUは、立地条件は理由ではなく、それをカバーできるだけの魅力が必要と語る。

「コザしんきんスタジアム(沖縄市野球場)や宜野湾市立野球場(アトムホームスタジアム宜野湾)とか、屋外の野球場でやりたい」

 国内でも有数となる沖縄アリーナではない。GOSAMARUが夢として描くのは屋外球場で大会を開催しマットに立つことだ。

「自分自身の夢。子どもの頃から川崎球場でのプロレスを観ていたから、僕自身の中でのプロレスは東京ドームではなく川崎。屋外球場にたくさんのお客さんが入ってできあがる独特の雰囲気が忘れられない。それが沖縄で、僕たちの団体で作りあげられたら言うことない」

 甲子園に沖縄の高校が出場すると、出身校は一切関係なく、沖縄人がアルプススタンドに集結。「ハイサイオジサン」を歌い、指笛を鳴らしながらの応援風景は風物詩。そこでは沖縄県民会の集いが催されているかのようだ。

 沖縄人は地元を愛し、誇りに思う気持ちが強い。琉ドラが地元に受け入れられれば、また1つ沖縄カルチャーが生まれる可能性は大きい。

「まずは沖縄県内の大会を常に満員にしたい。沖縄の人ならみんなが知っている団体にしたい。そこから内地=本島へ大会を持って行ければ」

 ネット配信などを活用した全世界全方位向けとは異なる形のプロレス、琉球ドラゴンプロレスに注目したい。ちばりよー、琉ドラ。(文/山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!公式ページ、facebook(Ballpark Time)に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。