巨人が先陣を切ってオープン戦は無観客試合に (c)朝日新聞社
巨人が先陣を切ってオープン戦は無観客試合に (c)朝日新聞社

 巨人がまともな対応をしているともっぱらの評判だ。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」は巨人のこの選手!

 世界中でパニックを巻き起こしている新型コロナウイルスにより日本国内も政治、経済、日常生活に至るまで、あらゆるところで大混乱に陥っているが、当然のようにスポーツ界も打撃を受けている。先陣を切ったJリーグを始め、各競技で大会等の延期、活動自粛の動きが相次いでいる。

 そのなかで、NPBはなんとかして競技を継続しようと模索しているが、中心となってリーダーシップを発揮しているのが『球界の盟主』こと巨人だという。

 巨人の動きは早かった。先月24日に政府の専門家会議が「これからの1、2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」との見解を発表すると、翌25日には、29日と3月1日に東京ドームで開催予定だったヤクルトとのオープン戦を無観客で実施するとの決定を下した。

 巨人は早々と無観客開催を発表するとともに他球団に協力を求めた。すると26日には臨時の12球団代表者会議が開かれ、2月29日から3月15日まで開催予定のオープン戦72試合が無観客となることが決まった。結果的に巨人の意向に沿う形となったのだ。

「オープン戦の無観客試合について異論はなかったです。議論となったのは3月20日の公式戦開幕をどうするか。東京五輪もあり、今年の日程はかなりタイトになるからです。オープン戦の無観客試合については巨人が会議前に今後の方針についての要望を発表していたし、それで実質、決定したようなものでした」

 代表者会議の様子について語るNPB関係者はさらに続ける。

「誰もが巨人の英断には感心しました。政府からは今後1、2週間の各種イベントの自粛要請が出ているが、営業的な部分を考えると安易に無観客にしてしまっていいものなのか。そういう板挟みで頭を抱える中、巨人が動いてくれて感謝している球団もあるはず」

 巨人の行動は勇気ある決断と評価が高い。ただ、そこには同時に、苦い過去の反省もあると語るのは巨人担当記者だ。

次のページ
巨人の苦い過去とは?