■セカンドオピニオンとるべきケース

 股関節の変形が強い人は、人工股関節を設置した際、それをしっかり支える土台となる部分の骨があるのかを調べたほうがいい。中田医師は「初めての手術であっても、セカンドオピニオンを求めたほうがいいと思います。支える側の骨が、かなり傷んでいるケースがあるからです」と話す。

 また人工股関節置換術のほかに、人工物を使わずに骨を切って負荷を軽減させる骨切り術という方法もある。これは変形性股関節症や大腿骨頭壊死などの病気の、比較的若い患者に対しておこなわれている。

「変形性股関節症で骨切り術を受けたことがある人は、人工股関節置換術を受ける場合、『3次元術前計画』ができる病院で人工股関節をしっかり選択したほうがいいでしょう」(中田医師)

 難度が高い手術の一つが、人工股関節を入れ替える再置換術だ。骨の強さ・弱さは人それぞれで、すでに入っている人工股関節を抜く技術なども必要なため、経験のある病院が望ましい。再置換の方法や新たに入れる人工股関節の選択がさまざまなので、再置換をおこなっている病院でセカンドオピニオンをとるのがいいだろう。

≪セカンドオピニオンをとるべきケース≫

ケース
人工股関節置換術を受けたいが股関節の変形が強いと言われた

骨の変形が強い場合は、人工股関節を支えるための骨が傷んでいる場合があるため、はじめての手術の場合でも「3次元術前計画」ができる病院でしっかり調べてもらう。

ケース
人工股関節の再置換術を受ける必要がある場合

再置換術は、今からだに入っている人工股関節を抜く技術が必要で、骨の状態によって使用する素材や技術に種類があり、難度が高い。再置換術の症例数が多い病院で意見を聞く。

■ランキングの読み方と病院選び

 週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』に掲載している手術数ランキングでは、人工股関節置換術、再置換術、骨切り術の年間手術数をそれぞれ掲載している。骨切り術は病気によって手法が複数あるが、このデータは変形性股関節症に対して実施された分となっている。

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病院選びの指標は手術数が最低でも年間100件