我が子を感染させてなるものか。

 そのためにはまず我が身を守らなければならない。

 なるべく公共交通機関を使わず、ママチャリを活用している。

 今日は土曜日。

 仕事のない土曜日はいつもちびとお出掛けするが、何となく外出する気になれず、家でダンボールハウスを作って遊んだ。

 最近の我が家のブームの一つ。

 ちなみにもう一つは、きのこ栽培。

 しいたけ栽培が衝撃的に楽しかったので、第二弾として、今度はエリンギ栽培をしているところだ。

 ダンボールハウスは、大小いろいろあるが、今日はちびが入れるくらいの大きなものを作った。

 色を塗って仕上げればなかなか様になる出来栄え。

 喜んで遊んでくれる。

「いっちょにやる!」

 と言うちびと一緒にカッターを握ってダンボールをカットし、絵の具まみれになりながら色を塗り。

 ついつい我々の方が夢中になってしまう。

 荷物が届くたびに、「ダンボール畳んで捨てるのめんどくさ」から、「おお、どんな家つくろうかな」と思考が変わったのは収穫だった。

 一つのウイルスの蔓延でこんなにバランスを崩してしまう、そんな危うい調和の上に「普通」の日常は成り立っている。

 一歩足を踏み出した先が崖崩れを起こすかもしれない。

 震災の時に感じた日常の不安定さを、この数日思い出した。

 あの頃と違うのは、日々確実に育っているちびの存在がそばにあることだ。

 どんな天変地異が起きようとも、我が子を、家族を守らなくちゃいけない。

 そこには「収入を得る」ことも含まれる。

 考えてみればコロナは健康だけじゃなく、色んなものを奪っていくな。

 子供たちから「卒業式」をも奪って行ったよ。

 エリンギが立派に育つ頃、どうかパンデミックが終焉していますように。

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水野美紀

水野美紀

水野美紀(みずの・みき)1974年、三重県出身。女優。1987年にデビュー。以後、フジテレビ系ドラマ・映画『踊る大捜査線』シリーズをはじめ、映画、テレビドラマ、CMなど、数多くの作品に出演。最近では、舞台やエッセイの執筆を手掛けるなど、活動の幅を広げている。2016年に結婚、2017年に第一子の出産を発表した

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