国際経済・外交に関する調査会に参考人として出席し、発言するため挙手する東京海洋大名誉博士のさかなクン (C)朝日新聞社
国際経済・外交に関する調査会に参考人として出席し、発言するため挙手する東京海洋大名誉博士のさかなクン (C)朝日新聞社

 2月28日放送の「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)にさかなクンが登場した。特技のひとつであるバスサックスの演奏者としてだ。この番組へは、一昨年以来四度目の出演である。

【写真】かっこいい!スカパラとコラボしたさかなクン

 かつてCMでも共演した東京スカパラダイスオーケストラ、さらには奥田民生ともコラボしたほか、トーク部分ではお気に入りだという「恋のスベスベマンジュウガニ」(イマクニ?)の音楽動画を紹介。「♪あんこのかわりにカニミソぎゅっぎゅっぎゅーっ」というサビをいきなり歌い出し、次に話す予定だったaikoが吹き出して言葉にならないという事態を出現させていた。

 かと思えば、2月12日、参議院の国際経済・外交調査会に参考人として出席。地球温暖化やプラスチックごみが海の生態系にもたらす影響などについて語った。「ご」を「ギョ」に変換するさかなクン語はもとより、トレードマークのハコフグ帽もそのままだったことが話題を呼んだものだ。

 というのも、国会では帽子着用が禁止されているからで、これはあくまで特例とのこと。彼自身、調査会出席後、取材陣の前でこう振り返った。

「帽子は皮膚の一部と申し上げており、私は特殊な部類かと思うが、お認めいただ き本当にありがたい」

 ただし、このハコフグ帽についてはそれ以前にも「実績」がある。09年の日本魚類学会年会でのこと。ハゼの研究者でもある天皇(現・上皇)陛下と、この年から会員になったさかなクンが同席した。このときもハコフグ帽だったことから驚きの声があがることに。いわば「帽子は皮膚の一部」は皇室公認(?)なのである。

 とまあ、何かと特別扱いのさかなクン。おもしろ文化人枠のなかでも、別格的存在だ。しかし、最初からそうだったわけではない。こうなるまでには、それなりの下積み時代があった。

■帽子をかぶらずジャニーズ風の髪型時代

 彼が世に出たきっかけは「TVチャンピオン」(テレビ東京系)の全国魚通選手権。93年5月に高校3年生で初出場した第3回こそ準優勝にとどまったが、翌年3月の第4回から5連覇を達成して殿堂入りを果たした。

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宝泉薫

宝泉薫

1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など

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