そして、95年には巨人では90年代最後の大物といえるマックが入団。マックは来日前にツインズで4番を打つなど主力選手として活躍し、92年の日米野球ではMLBのオールスターチームの一員としてプレーした。巨人入りする前の94年には右肩のケガとストライキの影響で81試合の出場にとどまったが、打率.333、15本塁打、61打点をマーク。日本に来た時の年齢も31歳で、まさに現役バリバリのメジャーリーガーといっていいプレイヤーだった。

 契約も当時では破格の2年総額8億円(推定)で巨人入り。走攻守三拍子揃ったプレーを見せ、1年目には120試合の出場で打率.275、20本塁打、52打点、12盗塁を記録すると、2年目には127試合の出場で打率.293、22本塁打、75打点、12盗塁と成績を上げた。高額な年俸がネックとなってこの年限りでの退団となったが、体を張ったプレーもいとわず、チームメートだった落合博満の打撃に感銘を受けたというエピソードも。大物選手にありがちな日本を見下すようなこともなく、プレー以外でも一流なところを見せていた。

 こうして、90年代前半から中盤にかけて巨人入りした助っ人の顔ぶれを見ると、毎シーズンメジャーで実績のある外国人選手が来ていたことがわかる。この時期は日米の年俸格差も今ほどなく、かつメジャーリーグで94年8月から始まったストライキへ至るまでの年俸高騰問題が重なったこともあって、大物が日本に来る条件が揃っていた。

 現在では年俸の格差が大きく広がり、マックのような全盛期を迎えているプレイヤーが日本へ来ることは考えにくい。だが、NPBでプレー後にメジャーで好成績を残す選手も増え、メジャーリーガーの間でも日本のプロ野球への認識が高まっているのは間違いない。今後も日本のファンがワクワクするような“大物”が毎年来日してくれるのを期待したい。