城島は会見を終えた帰り際、王会長がコメントを求められている横を、何事もなかったかのように素通りした。そして待たせていた車の直前でUターンし、数人のファンにサインをすると、その後はまったく後ろを振り向かずに車に乗り込んだ。その姿から、続きがあることを確信した。

 城島は何年経っても輝いていて、魅力ある男だ。誰もがグラウンドに再び登場する日を待っている。

 今の城島が目指す『カッコいい』は見つかったのか? そう尋ねたら、ごまかされた。

「たくさんあるよ。でも教えない」(文・山岡則夫)

※記事内での過去コメントは、01年『Ballpark Volume.3』、02年『Ballpark Time! Vol.5』より

山岡則夫/1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!公式ページ、facebook(Ballpark Time)に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。