沖縄と同じくメダルなしの福井県では前述のバドミントン山口茜に加え、フェイシング男子エペの見延和靖にも期待がかかる。2008年の北京五輪では太田雄貴が日本人初となるフェイシングでのメダル(銀)を獲得したが、見延は日本人で初めて年間の世界ランキングで1位となった実力者。番狂わせが多い競技といわれるフェイシングだが、昨年のグランプリ大会で自身2度目の優勝を果たすなど、安定した強さを見せている。

 全階級でメダルが狙える柔道は、現段階では内定者が女子78キロ超級の素根輝しかおらず、その他の出場選手が未定となっている。だが、仮に出場となれば新井千鶴(埼玉)や、芳田司(京都)は金メダルを狙える実力の持ち主。ここからも個人競技の金メダル未輩出を卒業する都道府県が誕生するかもしれない。

 五輪は種目も多く全てカバーは出来てはいないが、こうして見ると東京五輪で金メダリストを初めて生み出せそうな都道府県は予想以上に多いと感じられる。全て期待通りとはいかないのがスポーツだが、逆にここに名前が挙がっていない“新星”が登場する可能性も十分に考えられる。日本選手団の活躍に期待するのはもちろんだが、同郷の選手がどのようなパフォーマンスを見せ、地元にメダルを持ち帰ってくるかにも注目することで、さらにオリンピックを楽しむことができるのではないか。