■セカンドオピニオンとるべきケース

 粘膜下層にとどまりリンパ節転移を認めないI期の食道がんは、手術、化学放射線療法から治療法を選択する。II・III期の進行がんは術前補助化学療法後の手術が第一選択だ。手術を希望しない場合や手術ができない全身状態では化学放射線療法となる。手術が適応になるのは、化学療法ができない腎臓疾患などがあるときだ。

 「食道を温存したいのなら化学放射線療法ですが、手術が最適な場合もあります。手術法も開胸開腹手術か、胸腔鏡・腹腔鏡手術か、セカンドオピニオンも利用して、利点やリスクを納得したうえで選択したほうがいいでしょう」(渡邊医師)

 胃がんなどで胃を食道再建に使えない場合には、大腸や小腸、結腸を使って再建することになる。

 「結腸を使う場合は血行再建も加わって、形成外科の協力も必要です。これらに経験豊富で他科連携のある病院で、再建方法などを相談するといいでしょう」(太田医師)

≪セカンドオピニオンをとるべきケース≫
ケース
I期での手術以外の選択肢を知りたい場合

がんが粘膜下層に浸潤するがリンパ節転移を認めないI期では手術や化学放射線療法、内視鏡治療も選択肢となる。併存疾患があれば化学療法ができない場合も。選択肢がいくつあるのか理解しておこう。

ケース
食道再建で血行再建が必要だが他科連携がない場合

胃がんなどで食道再建に胃が使えないときには大腸や小腸、結腸などを使う。結腸を使う場合は血行再建に形成外科の協力も必要になる。他科連携のある病院でどのような再建方法になるか確認しよう。

■ランキングの読み方と病院選び

「年間20例以上あれば経験豊富でチーム医療もできています。合併症にも迅速に対応でき、重症化を防げるでしょう」

 渡邊医師はそう話す。渡邊医師によると、「手術数が年間5例以下の病院」では術後合併症や在院死亡のリスクが高いという。食道がん手術の経験が少ないと適切な判断が難しく、治療法が手術だけに偏重する傾向があるため、注意したい。

次のページ
他科との連携がとれる病院選びを