打者としての歴代最年長は、戦後すぐに阪急でプレーした浜崎真二の48歳。選手不足だったあの時代ならではの事情もあるが、プレイングマネージャーとして二足の草鞋を履いただけでなく、投手と打者の二刀流もこなす万能プレーヤーだった。

 浜口の特筆すべき点はそれだけでなく、1947年に阪急(現オリックス)に入団した時点で45歳だったことだ。もともとは慶応大学や都市対抗野球で活躍したアマチュアのスター選手だった。投手としての最年長記録は山本に塗り替えられたが、安打(48歳9カ月)や盗塁(45歳10カ月)など打者の最年長記録には今なお浜口の名が刻まれている。

 もし新庄が今季のNPB復帰を果たせば、この浜口の最年長記録を更新するチャンスが出てくる。しかし現時点での現役最年長が福留孝介(阪神)の42歳ということを鑑みても、現実は厳しいと言わざるを得ない。ましてや新庄はプロ野球でもまれ続けてきた福留らと違って長いブランクがある。数々の奇跡的な活躍を現役時代に見せた新庄のミラクルには期待したいところだが……。

 ただしプロ野球選手という肩書は、いまやNPB所属のプレーヤーにのみ与えられる時代ではない。現在では各地方に独立リーグが存在し、そこでプレーする選手たちも立派なプロ野球選手だ。2017年には四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスでメジャー通算555本塁打のマニー・ラミレス(入団時は44歳)がプレーしたこともある。

 新庄の人気と知名度ならば、プロモーションの一環として契約に関心を寄せる球団も出てくる可能性は十分にある。もしかしたら今年、プロ野球選手に復帰した新庄の姿を意外なところで目にするのかもしれない。