ジェット風船は各球団の公式グッズであり、その売り上げは当然、球団に入ってくる。東京ドームや神宮など、一部の例外を除く球場で使用されているジェット風船は今や欠かせない重要商品なのだ。某球場のショップ店員もジェット風船はグッズの中で一番売れると話す。

「以前は応援メガホンが最も売れる商品でした。試合に負けたらグラウンドに投げ捨てていくファンも多かったから、次の試合でも購入してくれた。また、カラーやデザインを変更すれば売れましたけど、最近はロッテを筆頭にメガホンを使わない応援も多い。その中で、ジェット風船は変わらぬ売上をもたらしてくれているんです」

 またジェット風船の利益率は、他グッズに比べて群を抜いて高いという。

「ジェット風船にもいくつか種類がありますけど、6個入り300円が相場。それで原価はだいたい20円弱。4万人収容の球場で半数の2万人がジェット風船を購入したら、売上は約600万円で純益約560万円。こんなに割の良い商品はないですよ」

 最近は各球団がロードチームをもてなす傾向も強い。7回攻撃時にはそれぞれの応援歌を流し、ジェット風船打ち上げタイムを設定するようになった。そうなってくると、ジェット風船の売上は1試合1000万円を上回る日もある。年間ホーム試合を70試合とすると、ジェット風船だけで約4億円から6億円ほどの利益が見込める。メジャーリーガーを1人雇用できる計算だ。

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試合の盛り上がりにも影響が