文字通りのアイドルレスラーだったのはキューティー鈴木。やられている時の悶絶した表情がクローズアップされ、ヘアヌードなど多数の写真集を発売した。全女のオーディションに落選しながら、ジャパン女子プロレスでデビューを果たしたほどのプロレス好き。地上波バラエティー番組への出演も多く、女子プロレスの広告塔的な役割も果たしていた。ちなみにキューティー鈴木のリング名は秋元康氏が命名している。

 愛川ゆず季はグラビアアイドルからプロレスラーとなった通常の逆パターンか。愛称は“ゆずポン”。デビュー戦ではトップレスラー・高橋奈苗に戦う姿勢を評価されるなど、実質2年半のレスラー人生にもかかわらず大きなインパクトを残した。所属団体スターダムのみならず、6回の自主興業「ゆずポン祭り」を開催。史上初となる女子プロレス大賞2年連続受賞(11、12年)を果たした。

 他にも多くの「アイドルレスラー」がいた。長谷川咲恵、福岡晶、大向美智子、西尾美香、栗原あゆみ……。数え上げたらキリがない。人の好みはそれぞれ、男性ファンの見る人の好みに合致すれば、「アイドルレスラー」になる。しかもSNSなどが発達した現在では、なおさらその数は増える。地下アイドルと同じこと。だが振り返れば、今や世界的スターとなったASUKAや紫雷イオも、人によっては「アイドルレスラー」と呼んでいた。

 かわいくて何が悪い?スタイル良くていいじゃないか?しっかりとしたプロレスを見せてくれれば、こんな良いことはない。