外的な要因で見ても、昨季まで最大のライバルだった広島に、予想された戦力の流出がなかったことも、巨人にとっては誤算と言えるかもしれない。広島はFA権を取得した會澤翼や野村祐輔が権利を行使せず残留し、MLB移籍が濃厚と言われた菊池涼介も契約不調で移籍がなくなった。

 昨年は4位に低迷した広島だが、シーズンの対戦成績は巨人の10勝14敗1分で、巨人は5年連続負け越しを喫している。特にマツダスタジアムは18年まで13連敗を喫するなど苦手としており、昨季も4勝7敗1分と鬼門となっている。佐々岡真司・新監督が就任し、チームの雰囲気も変わった一昨年までの3連覇チームは、今年も巨人の連覇に立ち塞がる強力なライバルになるのは間違いない。

 巨人は今春のキャンプ序盤で坂本や澤村拓一らがインフルエンザで一時離脱し、先発二番手に期待されるメルセデスが左ひじ違和感で二軍調整となるなど、必ずしも順調と言えない状況が続いている。リーグ連覇から日本一奪回を目指す、かつての“球界の盟主”の復権は、そう簡単なものではなさそうだ。