簡単でしょう? 「スッキリか? モヤモヤか?」だけ気にして聴けば、傾聴になります。

 なぜか? それは、問題解決とは「気持ちのモヤモヤが晴れて、スッキリした気持ちに変わった状態」のことをいうからです。モヤモヤしたまま問題が解決することはありません。問題が解決すれば、人は必ずスッキリした気持ちになります。

 気持ちがスッキリしている人には、迷いも不満もありません。つまり、問題を抱えていません。ですから、「スッキリしているか? モヤモヤしているか?」だけに注目して聴けばいいのです。

■「スッキリかモヤモヤか」に注目する理由

 部下がモヤモヤしている様子を放置して、話をそのまま進めてしまうリーダーがいます。問題が目の前で起きているのに、スルーしているのです。モヤモヤを発見したら立ち止まり、共有し、関わることで、問題は解決に向かいます。

 そのためには、話の聴きはじめから、「どうしたいか?」よりも、「何にモヤモヤしているか?」に焦点を合わせておくことです。

 リーダーの重要な役割は、部下にスッキリしたイメージを見せることです。

 スッキリしたイメージさえ見えてしまえば、人は勝手に動きはじめ行動を起こします(たぶん止めてもやります)。そのためにはまず、スッキリできていないモヤモヤした部分の正体を十分に知る必要があります。

 モヤモヤを知り尽くすことが、問題の本質を理解することなのです。「モヤモヤこそチャンス!」です。モヤモヤを発見したら立ち止まり、スッキリになるまでやりとりしましょう。