3位:サンチェス(巨人・投手)

 メジャーでの実績はないものの、昨年KBO(韓国プロ野球)で17勝5敗という圧倒的な成績を残した。2年契約で推定年俸3億4000万円、背番号20というところにも球団の期待の高さがうかがえる。フォームは非常にオーソドックスで悪いクセがないというのが第一印象。かつて巨人でも活躍したグライシンガーに少しイメージが重なる。打者の手元で鋭く変化するカットボール、チェンジアップも持ち味だ。山口俊の穴を埋める筆頭候補として期待したい。

2位:ボーア(阪神・内野手)

 長打力不足のチーム待望の左のスラッガー。メジャーで3度年間20本塁打をクリアしており、2017年にはオールスターゲーム前日に行われるホームランダービーにも出場した実績を持つ。左投手に対する弱さと三振の多さは気になるものの、長打力は間違いなく一級品。また意外に選球眼が良く、出塁率の高さも目立つ。かつて在籍したブラゼルとタイプ的には近いものがある。チーム浮上のためにも、年間を通じてクリーンアップを任せられる活躍を期待したい。

1位:アダム・ジョーンズ(オリックス・外野手)

 やはり期待度ナンバーワンとなるとこの選手になるだろう。メジャー通算1939安打、282本塁打、ゴールドグラブ賞4回、オールスターゲーム選出5回など華々しい実績を誇る超一流のメジャーリーガーだ。このクラスの選手となると、2013年から楽天に2年間在籍したアンドリュー・ジョーンズ以来と言えるが、年齢的にも成績的にもアダム・ジョーンズの方が衰えは見られていない。過去2年間は少しホームランが減っているものの、パワーはまだまだ健在だ。コンディション的に問題がなければ、30本塁打は期待できるだろう

 このようにまとめてみるとムーア、エスコバー、パーラ、ボーア、そしてアダム・ジョーンズと例年以上に実績のある選手が多い印象だ。しかし現時点ではアメリカでの実績、映像とキャンプでの様子を参考にしているため、シーズンに入ってもこの期待通りに活躍を見せるかはやはり未知数であると言わざるを得ない。また、ここで名前を挙げた以外の選手があっと驚くような活躍を見せてくれることにも期待したい(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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