昔から言われていることですが、もうバレンタインデーはやめたらいい。僕もその気持ちは非常によくわかります。ただ、それを声高に主張してはいけない! なぜなら年に一度、デパートには日本初上陸の新しいチョコレートが並んで、市場が盛り上がっているわけです。経済的には義理チョコ文化だってあったほうがいいんでしょう。何よりも、女性諸君が楽しみにしているという現実を忘れてはならない! チョコ好き女子にとっては堂々と食べるチャンスだし、恋人や家族にあげたものを後でこっそり女性たちが食っている。息子がもらってきた義理チョコを母ちゃんたちも食っている。だから反対運動はやめるんだ、男たちよ。

 もしくは、10代のものにしたらいい。学校側が嫌がると思うんですが、好きな子に告白するというイベントとしては、ピークは中学生~高校生まででしょう。そのころは振られたり、付き合ったりという恋愛をしたほうが人生経験になりますよね。

 ただね、10代の子とかに聞くと、今は好きな人に告白とかしないらしいですよ……。直接とか恥ずかしいし、言うにしてもLINEで。そういう傾向が20代ぐらいでもあるそうです。「◯◯が話あるらしいよ」と体育館の裏に呼び出されて……というベタな展開は昭和まで。今の時代なら、LINEかなにかでチョコレート型のプレゼントボックスみたいなものを500円ぐらいで買って、それを贈ったら「そういう意味」っていうサービスを作ってあげたほうがいいのかもしれない。

 まあ、ここまで根付いた日本独自のバレンタインデーは、一つの成功例ですよね。コンビニが仕掛けて、フードロス問題なんかで下火になっている恵方巻とは違うと思います。ハロウィーンは少し形を考えないといけないけれど、バレンタインデーと同じく日本人がつくり出した経済を回す、ちょっと変わったお祭りだと言えると思います。それなら廃止論じゃなくても、いいのかなと最近は思います。

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カンニング竹山

カンニング竹山

カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。本名は竹山隆範(たけやま・たかのり)。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在はお笑いやバラエティー番組のほか、全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ。単独ライブ 「放送禁止2017」が9月21~24日、東京・品川の天王洲銀河劇場で開催(撮影/写真部・小原雄輝)

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