もちろん、高校No.1と評価される河村とはいえ、東海大でいきなりこれまでのようなプレータイムをもらえるかは分からない。三遠でスターターを務めているが、まだ数試合をこなしただけで、これからは未知数。大学になれば当たりも強くなり、フィジカルなどそこでの適応力も求められるだろう。しかし、さらなるレベルアップを目指すのではあれば、国内にとどまることなく海外にチャレンジして欲しい。

 そこには日の丸を背負うというだけではなく、世界の舞台で輝いて欲しいという願いがあるからだ。

 昨年のワールドカップでも露呈したが、司令塔の冨樫が不在になったとはいえ、日本代表は世界が舞台となった時にフロントコートよりもガードが劣る傾向にある。単純にサイズの問題もあるが、そこにはBリーグチームの選手構成も関わっているように思うからだ。

 Bリーグは、どこもビッグマンに外国籍選手を擁するチーム編成が基本だ。日本人もフロントコート陣であれば、フィジカルに勝る外国籍選手とマッチアップする機会があるが、これがガードになるとリーグ内では日本人同士のマッチアップになることがほとんど。大学は言うまでもないだろう。つまり日本人ガードがレベルの高いプレーヤーと対峙できるのは、極端な話、国際試合だけということになってしまう。

 日本が世界の舞台でも戦える集団になるためには、ガードの強化は必須。河村が日本代表になるだけで満足するのなら国内で進学するのも良いが、さらなる高みを目指すのであれば、18歳の今だからこそ日本を飛び出しても良いはずだ。

 河村は身長が172cmそこそことガードとしても小柄な部類に入るが、日本には果敢にNBAを目指した田臥勇太(宇都宮)や富樫勇樹(千葉)など身長が同程度の先人がいる。河村には既にこの2人に負けないスピードとスキルがあることはこれまでのプレーで証明されているわけで、可能性がある以上、大きな夢を追うべきだろう。

次のページ
もっとスケールの大きな夢を見て欲しい…