それこそ、ギャルルで一緒だった辻はママタレになることで生き残ったし、逆に「七光り」の安倍や「めがねっ子」の時東はそういう新キャラに移行できず、消えてしまった。今の芸能界において、ママタレは有力派閥でもあり、その交友ぶりはトークのネタとしても有効なのだ。

 たとえば、彼女は「ママタレ友達が多い」そうで「誰ともジャンルがかぶらないので接しやすいって言われるんですよ」などと明かしている。なかでも親友関係にある小倉優子は、イベントで彼女のことを「家族ぐるみで付き合える友達」と呼び、こう語った。

「夜は電話の受話器をスピーカーにして、いろんなことをしながら長電話しています。週5日ぐらい電話をしたりして、仲良くしていただいています」

 小倉が離婚問題でゴタゴタしていた時期も彼女は愚痴を聞かされていたようで、そういうつきあいのよさ、さらには、ネガティブな話につきあってもメンタルをやられたりしないところがコミュニケーション能力の高さを証明している。それゆえ、夫にも友人にも、そして仕事にも恵まれるわけだ。

■小学校時代は6年間オール3

 そんなギャル曽根という人を考えるうえで、瞠目させられたのが小学校時代のエピソードだ。なんと6年間にわたり、全科目でオール3を取り続けたという。しかも、特筆すべきことに、その途中で彼女の環境は激変している。10LDKの豪邸に住むお嬢さまだったのが、父の会社が倒産して、小3のときに親が離婚、一転して母子家庭の貧乏暮らしとなってしまった。にもかかわらず「普通」であり続けたのだ。

 高校時代には家にもろくに帰らないほどグレた時期もあったが、前出の著書でこう振り返っている。

「高2で進級が危なくなった時、学校をやめるんじゃなくて、授業に出る、っていう積極的な選択肢を選んだことが、今思うと大きいのかも」

 極端すぎる方向には行かず、軌道修正できるというバランス感覚も「普通」という才能のなせるわざだろう。

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服やメイクもそんなに「ギャル」ではない