YouTubeについて、視聴者を取り合うとか、シェアを奪い合うという言い方をする人もいますが、ニッチなジャンルでない限り、該当しにくい事象です。プレーヤーが増えれば視聴者の数も増えるからです。

魚だけを見て、海が見えていないYouTuberは、一生懸命に魚を取って小さな水槽に入れようとしますが、YouTuberは金魚の屋台をするわけではありません。大きな海で巨大な魚の群れを回遊させるイメージです。これを正しく認識していると、効果的に動画を作ることができ、関連動画の波に乗ってチャンネルが伸びます。

同じような事象が、YouTubeの外側にも当てはまります。先日、YouTuberの国内最大手の事務所であるUUUM(ウーム)の決算が発表されました。以前に比べて増収が鈍化したため決算後に株価が下落しました。

 YouTubeに関わる事業をする企業の数は増加していますが、現在、UUUMの一強という状態が2年以上続いています。これは、望ましい状態ではありません。

 経済学的に言うと、市場が最大化するのは独占状態ではなく、数社の強い企業が存在する寡占状態だからです。

 YouTubeの動画と同じで、顧客を回遊させる漁師が必要です。UUUMの他にも、同じような規模の事務所や企業が数社は必要で、そうならないと、市場の拡大速度に比べて成長が鈍化すると思います。

 よりYouTubeの市場が盛り上がり、活性化するためには、UUUM以外にも有力なYouTube関連企業が何社か現れ、共に成長していく姿勢が必要だと思います。

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なーちゃん

なーちゃん

なーちゃん/二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男・こうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、”ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。登録者数209万人、総再生回数13億回(2019年10月時点)を誇る。

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