「イチローのような一流選手ならば将来も安泰ですが、ある程度のクラス以下の場合、現役引退後はどうなるかはわからないですからね。安定を求めるなら大企業や外資系の会社員のほうがいいというのもある。同じ局の社員と結婚する女子アナも少なくないですが、間違いなく収入は安定しているのでその気持ちもわかります。テレビ局員と女子アナの飲み会は実際、増えていますしね。また最近、多いのはIT系との飲み会。社長や取締役クラスの人たちとの合コンの話をよく聞きます」(在京キー局の社員)

■局に残って夫婦で堅実に稼いでいく

 女子アナの結婚相手の変化には、フリーの女子アナの増加も要因としてあるという。

「平成の時代はバラエティタレントのような女子アナが人気を博してきましたが、あまりに増えすぎてしまい、フリーに転身したとしても生き残るのは一苦労です。その上、局に残ってもアナウンサーは毎年、新しい人が出てくるわけですからね。ならば、いったん報道局に移って修行を積んだり、キャスターとなって局に残って仕事するほうが息の長い活動ができる。テレビ局の年収が下がってきているとは言え、一般企業に比べたらまだまだ高収入の部類です。日本経済が確実に縮小傾向にあるなか、堅実にキャリアを積みながら、安定した夫とともにダブルインカムで世帯年収を維持しようと思っているのでは」(同)

 TVウォッチャーの中村裕一氏は、そんな女子アナの結婚の歴史についてこう分析する。

「20年ほど前までは女子アナとプロ野球選手の組み合わせがよくマスコミを賑わせていた印象があります。一方で、フジの秋元優里アナと生田竜聖アナ、NHKの桑子真帆アナとフジの谷岡慎一アナのように、同じアナウンサー同士の結婚はあまりうまくいってないケースも。多様性の時代を反映してか、近年では、小泉進次郎環境大臣と結婚した滝川クリステルを筆頭に、お笑い芸人・陣内智則と結婚したフジの松村未央アナなどは、新しい時代を象徴していると思います。高倍率のアナウンサーへ試験を勝ち抜いて入社し、日々アナウンススキルを磨いている彼女たちだけに、キャリア志向の高まりも充分頷けます」

 女子アナという職業は良くも悪くも注目されてしまいがち。周囲の雑音など気にせずに幸せになってもらいたい。(今市新之助)