■楽天:2011年
・主な指名選手:武藤好貴(1位)、釜田佳直(2位)、岡島豪郎(4位)、島内宏明(6位)

 武藤は2015年に60試合登板したくらいしか目立った成績はなく、釜田も故障に苦しんでいるため成功とは言いづらいが、岡島、島内というレギュラークラスの野手が二人出たこの年を選んだ。特に島内は大学時代、攻守ともにプロに行くようなレベルには見えなかったが、ミート力を磨いて見事にチームの中軸へと成長している。ただ、大成功と言えるかは微妙なところ。他の年を見ても2012年の則本昂大(2位)、2013年の松井裕樹(1位)、2015年の茂木栄五郎(3位)など単発の成功選手はいるものの、複数主力になったケースは見当たらなかった。このあたりが強さが持続しない原因と言えるのではないだろうか。

■ロッテ:2013年
・主な指名選手:石川歩(1位)、井上晴哉(5位)、二木康太(6位)

 2011年の鈴木大地(3位)、益田直也(4位)、2012年の松永昂大(1位)、田村龍弘(3位)、加藤翔平(4位)、2014年の中村奨吾(1位)、岩下大輝(3位)も主力になっているが、スケール的な大きさから2013年を選んだ。石川は大学卒の社会人3年目で1位指名となった遅咲きの投手。大学時代まではとにかく細かったが、社会人で急成長を遂げ、プロでもその勢いのまま三年連続二桁勝利をマーク。井上も最初の四年間は苦しんだものの、2018年からは中軸に定着している。そしてチームの流れを変えたのが二木だ。6位指名ながら3年目に早くも7勝をマークし、ローテーションの一角に定着。岩下、種市篤暉(2016年6位)など高校卒の投手が出てくる土壌を作った。そういう意味では大きな転換期となるドラフトだったと言えるだろう。

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