ロッテ期待の星・佐々木朗希 (c)朝日新聞社
ロッテ期待の星・佐々木朗希 (c)朝日新聞社

 ロッテのドラ1、佐々木朗希の評価がうなぎ上りだ。自主トレ期間中から軽快な動きを見せ、キャッチボールでは指にかかった鋭い球を投げる。連日、マスコミに取り上げられるのも無理はない。

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 ドラフト後から佐々木を追いかけるロッテ担当記者は語る。

「昨年のドラフト1位・藤原恭大の時もかなり取り上げられていたが、比べ物にならないほど。高校3年最後の夏の大会で登板回避し、岩手大会決勝で敗れ去ったことで、より注目を集めたのが大きい。その後の投げ込み制限問題など、社会問題にもなった。また、甲子園に出場できなかったことで全国のファンは地方大会の断片的な映像しか見ていないし、まだ見ぬ怪物がどれだけの球を投げるのか今や遅しと待ち構えている」

 ロッテは新人合同自主トレを行うZOZOマリンスタジアムを一部開放したが、土日も重なったことで多くのファンがスタンドを埋めた。キャンプイン前から、ロッテのユニフォームに袖を通す前から狂想曲が始まっていた。

 佐々木は190センチと恵まれた体格を誇り、高校最速となる163キロの速球を記録した右腕。これは現エンゼルスの大谷翔平が高校時代(岩手・花巻東高)に出した160キロを破る記録として話題になった。

 中学時代から将来有望な投手として知られており、当時すでに140キロを超える真っ直ぐを投げていた。野球強豪校の誘いを断り、進学したのは地元の公立である岩手・大船渡高。3年夏の選手権予選決勝では「故障予防のため」という理由から登板回避。同校には苦情電話などが殺到する騒ぎとなったのは記憶に新しい。

「自分でしっかり考えることのできる子。もっと速い球を投げられる可能性はあったが、球速を追い求めることはまったくしなかった。現時点での自分に必要なことを見極めて、それに向かって真っ直ぐ努力していました。将来プロで投げたいという確固たる目標があったから、地区予選決勝の登板回避も本人は納得していた。そういう姿を周囲は見続けていたから、誰も文句は言わなかった。もちろん甲子園に行けていたら、最高だったのでしょうが」

 高校野球生活を見てきた同校関係者は、佐々木の野球への取り組み方や人間性を称賛する。

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メジャーのスカウトも絶賛