結婚を糧に、不振から脱出したのは松井裕樹(楽天)だ。高卒2年目の2015年から3年連続で30セーブをマークしていた左腕だが、2018年は開幕から救援失敗が目立って中継ぎに降格。シーズン53試合に登板したが、計5セーブのみで防御率3.65という不甲斐ない内容だった。だが、2018年の12月に女優の石橋杏奈と入籍。交際期間中は松井の乱調も相まって、交際について一部で批判的な声も聞かれたが、しっかりと身を固めて臨んだ2019年は再び守護神として働き、自己最多の38セーブをマーク。防御率1.94と完全復調した。

 野手陣に目を向けると、目立つのは柳田悠岐(ソフトバンク)だろう。2015年の7月に交際2年で3歳年下の女性と入籍。するとそのシーズンは、8月、9月に連続で月間MVPに輝き、最終的に打率.363、34本塁打、32盗塁の成績でトリプルスリーを達成。リーグMVPに輝き、チームの日本一の原動力となった。公私ともに充実し、最高シーズンを送ったと言える。

 さて、斎藤はどうなるだろうか。実際は、「結婚」を自らの力に変えて成績を上昇させた選手たちがいる一方で、成績を落としてしまう選手も多くいる。2年連続一軍未勝利の斎藤にとっては、これ以上落ちることはない。節目のプロ10年目。果たして“あげまん効果”はあるのだろうか。