ヤクルト期待の星・奥川恭伸 (c)朝日新聞社
ヤクルト期待の星・奥川恭伸 (c)朝日新聞社

 今年の高卒新人も才能あふれる選手が目白押し。なかでも注目株のロッテ・佐々木朗希よりも即戦力として期待されているのがヤクルト・奥川恭伸だ。最速154キロの直球と大崩れしない完成度は高校生レベルを超えていると言われている。

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 しかし、キャンプインを前に気になる情報が飛び込んできた。右ヒジの軽度の炎症でノースロー調整が続いており、キャンプ2軍スタートが早々に決定した。

「今の段階でノースローなので、現実的に2月の間に1軍に呼ぶことはないです」と高津臣吾監督は明言し、実質オープン戦までの2軍帯同が決定した。ヤクルト担当記者は楽観視できない状況についてこう語る。

「夏の甲子園が終わった段階で違和感があったらしい。公式発表では1月15日に横浜市内で診断を受けてからノースローだったということですが、それ以前から慎重になっていたそうです。高津新監督になり、新生ヤクルトの目玉の1つだっただけに、現場だけでなく集客を見込む営業担当者も頭を悩ませています」

 高校時代から投げ続けてきた勤続疲労なのか。プロ生活のスタートから思わぬ躓きとなってしまった。高校時代から奥川を追い続けたセ・リーグ球団スカウトは奥川の状況をこう語る。

「高校生投手が豊作の年でした。もちろんロッテ入りした佐々木(岩手・大船渡高)は頭ひとつ抜けていましたが、奥川の評価も高かった。小さい頃から投手として多くの修羅場をくぐっているし、完成度では佐々木より上。勝てる可能性がある投手だから、一発勝負のアマチュア時代は多くの試合に投げることになる。当然、かなりの球数を投げており、甲子園の頃から相当な疲労が溜まっていたはずです。高校野球引退後の半年くらいで回復するのは難しいでしょうね」

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ヤクルトが慎重になるワケ