こうなることによって、高年齢の方が満足できる歌手を増やす一番の理由になる。演歌だけじゃなく、70年代のフォーク世代の歌手とか、もっと入ってくるかもしれない。

 何より対決構造がしっかりするので、見てるほうも「やっぱり昭和の歌手のほうが、いい歌多いじゃん」とか、「いやいや、平成だって、歌うまい人めちゃめちゃ多いから」と、その戦いに対して本気になれるはずである。

 以前、とてもお世話になったテレビマンに「視聴者は思ってるよりタイトルを信じてテレビを見ているから」と言われたことがある。番組内容って変わっていく。だけど、変わっていく中でタイトルのコンセプトは大事にしたほうがいいと言われて、本当にその通りだなと思っている。「紅白歌合戦」は「合戦」とついている。だからこそ「戦う」ことって大事で、視聴者もその戦いに熱くなれないといけないのではないか? 今は「おまけ」くらいな気がする。そして「昭和vs平成以降」にすることで、今まで紅白に出なかったアーティストも出るんじゃないかと勝手に思ったりする。「昭和のために一肌脱ぐか~」とか、「平成以降もナメられたくないでしょ~」とかね。

 オリンピックをきっかけに、大きく変わるであろう日本。

 その中で、紅白もここまで変えたら驚くはずだ。と勝手に妄想した紅白歌合戦。

著者プロフィールを見る
鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

鈴木おさむの記事一覧はこちら