※写真はイメージです(Getty Images)
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医者と医学部がわかる 2020 (週刊朝日ムック)アマゾンで販売中!
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 昨今、入試のあり方で問題視される医学部受験。しかし、「多くの命を助けたい!」と思う若者や、「子どもを医者にしたい」と願う家族は多いもの。『医者と医学部がわかる2020』(朝日新聞出版)では、初年度と6年間の学費・志願者合格倍率・医師国家試験合格率の最新データを集めた「ひと目でわかる医学部データ」を掲載。医師528人に聞いた「医師のホンネ」では、勤務・睡眠時間や年収、結婚した年齢までを網羅し、「医師×テクノロジー」、「診療科別お仕事図鑑」など、役立つ情報を満載している。

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 表紙は、医療漫画『コウノドリ』の鈴ノ木ユウ先生の描き下ろし。綾野剛さんがドラマで演じた、産科医でピアニスト鴻鳥サクラだけでなく、星野源さんが演じた鴻鳥のライバルであり同期の四宮春樹の姿も描いた。以下、鈴ノ木先生から寄せられたコメントを紹介する。

■妊娠出産は、全ての人に幸せなコトとは限らない

 今回、表紙の絵を描かせていただきました。週刊モーニングで『コウノドリ』という周産期医療の漫画を連載している鈴ノ木ユウです。

 僕はもともと、医者の世界や医療漫画に興味があったわけではありませんでした。それなのに周産期医療を描きたいと思ったきっかけは、妻の友人の産婦人科医師から話を聞いたことです。

 妊娠出産は全ての人にとって幸せなコトとは限らない。

 僕には息子が1人います。彼が元気に生まれ、日々成長してくれることは当たり前なコトじゃないんだと改めて感じました。

 コウノドリに出てくる医師は日々、聖ペルソナ総合医療センターという病院であらゆる出産やそれに関わる疾患、妊婦さん、赤ちゃん、その家族に寄り添い、向き合っています。

 今回の表紙はその主人公、鴻鳥サクラとその仲間、四宮ハルキ、下屋カエを描かせていただきました。みんな僕の大好きな産婦人科医たちです。(鈴ノ木ユウ)

■喜びもそして悲しみも、産科には人生が溢れる

 日本は出産時の母親と新生児の死亡率が世界でも低いため「無事に生まれてあたりまえ」という風潮が強い。しかし、100人の妊婦さんがいれば100通りの奇跡がある……漫画『コウノドリ』の主人公である産科医の鴻鳥サクラは日々、そう思う。

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産婦人科医の役割とは