田村耕太郎さん
田村耕太郎さん
失われた自信を取り戻そう
失われた自信を取り戻そう

「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークアンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、シリーズ75万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。

 日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「過去のいじめの苦しさ」について。

*  *  *

【相談】
 私は、小学生のころにひどいいじめを受けていました。見た目をあげつらうようなあだ名で呼ばれ、友達からも仲間外れにされ、転校を余儀なくされました。しかし、転校先でもいじめられました。再びいじめられたと知ったときの、母の悲しそうな顔が目に焼きついて今も離れません。

 そのせいか、大人になった今も人と関わるのが怖くてたまらず、自分の外見が気持ち悪いと思われているのではないか、いつか嫌われるのではないか、またひどい目に合うのではないかと怯え、暗く、人の機嫌を伺うような卑屈な性格になってしまいました。

 いじめっ子は同じ地元に住んでいるので、帰省するたびいやがおうにも情報が入ってきます。いじめっ子だった性格はすっかり鳴りを潜めているようで、明るく面倒見のいいイイヤツと評判で、最近素敵なパートナーと結婚したそうです。Facebookを調べて見てしまったのですが、とても幸せそうでした。

 なぜ、何もしていない私が今もこんな苦しい思いをしているのに、いじめっ子がちゃっかり幸せになっているのか。今のように憎み、苦しみ続けている自分もすごく嫌なのです。

 どうしたらいじめっ子を憎む気持ちが癒えるのでしょうか。そして、どうしたら、いじめっ子の呪いから解き放たれ、自分に自信を持つことができるのでしょうか。

■自分の人生を生きるために

 相談をする勇気をもってくださりありがとうございます。とても大変な思いをされましたね。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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