「手術はうまくいきました。手術後に、軽い荷物を引っ張るトレーニングから始めて、調教してみたら、別の馬みたいになっていた!」

 長年の付き合いの阿部騎手が驚くほどの変化だったという。

「レースに復活したときは休んでいた分、下のクラスからのスタートで、1着にはなったものの私の手応え的には物足りなかった。復活ができたもののレース勘が鈍っていた。それが勝ちを進めていって、30連勝にまでなるとは思わなかった」

 復活どころか強くなったホクショウマサル。その強さの秘密はどこにあるのか。

「性格は、自己チュー(笑)。レースのとき引っ張る力を出さないときがある。やる気を出さないんですよ。強さの秘密は、幼いころからからだが大きかったところ。それが年を重ねるごとに大きくなっていった。もともと力もある。あと大事なのは体調管理。体調管理ができていないといい引っ張りはできない。人間だっていざというとき、体調が良くないと実力を出せないでしょう? あと、強さが出せるのは、馬を信じることかな。受験生のみなさんも自分の力を信じて!ですね」

 北の大地で白い息を吐きながら懸命に疾走するホクショウマサルの姿は、病気で3年近くのブランクがあったとは思えないもの。受験生の皆さん、自分の力を信じてゴールを目指せ!(AERA dot.編集部・太田裕子)