17年はプロ3年目の薮田和樹(広島)が15勝3敗3ホールド、防御率2.58と大ブレーク。勝率.833でタイトルも獲得した。ルーキーイヤーは1勝、前年も3勝をマークして新人王の権利はすでに失っていたが、リリーフから先発に配置転換後の快進撃でチームのリーグ連覇の原動力となった活躍は、強烈なインパクトを残した。

 同年11月に行われたアジア・プロ野球チャンピオンシップで日本代表に選ばれ、18年も先発の軸に期待されたが、制球難でローテを守れず、わずか2勝でシーズンを終えた。昨季も調子は戻らず、わずか4試合の登板で0勝2敗、防御率9.24でプロ入り初となる未勝利に終わり、復活への道筋はまだ見えない状況だ。

 また、プロ1年目から7勝をマークするなど、まずまずの活躍を見せており「2年目のジンクス」には当てはまらないかもしれないが、18年に16勝をマークしてタイトルホルダーとなった多和田真三郎(西武)も、昨季は不整脈などの影響でわずか1勝に終わり、シーズン終了後には自律神経失調症と診断されて契約保留選手となっている。

 DeNAでは17年に濱口遥大、18年は東克樹と2年連続で大卒ルーキーが2ケタ勝利を挙げた(東は新人王)が、故障で2年目はいずれも4勝と、まさしくジンクスにハマった結果になっている。

 選手としては、できることなら避けて通りたい「2年目のジンクス」だが、過去には上原浩治(1年目20勝から2年目9勝)や川上憲伸(1年目14勝から2年目8勝、3年目は2勝)のように、ジンクスに苦しみながら最終的には球界を代表する投手となり、メジャーリーガーにまで上り詰めた選手もいる。「2年目のジンクス」に見舞われて以降、なかなか立ち直れない現役選手でも、それを乗り越えれば、まだまだ明るい未来もあるのだ。