ウィザーズの八村塁 (c)朝日新聞社
ウィザーズの八村塁 (c)朝日新聞社

 NBAのワシントン・ウィザーズに日本人初のドラフト1巡目指名(全体9位)を受けルーキーシーズンをスタートした八村塁。当初の予測を良い意味で裏切り開幕から先発メンバーに名を連ね新人王獲得の期待も高まっていたが、どうやらその快挙は非常に厳しくなったと言える。

 開幕してからの八村は25試合連続でスターターとしてプレーし、平均29.2分の出場で13.9得点、5.8リバウンド、1.6アシストのアベレージをマーク。チームはシーズン前の予想通り不振に喘いでいるが、本人はルーキーとしては申し分ない数字を残していた。

 しかし、現地時間12月17日のデトロイト・ピストンズ戦の第2クォーター、リバウンドを取りに行った際に、チームメイトのアイザック・ボンガに股間部を蹴られるような状態となり負傷。ここから同1月16日現在まで復帰できずにいる。

 故障後は簡単な手術を受けたようで公の場で姿を見せることはなかったが、年が明けてから取材にも応じるなど順調な回復ぶりをアピール。同13日にはスコット・ブルックスHCが、八村の遠征(対シカゴ・ブルズ、対トロント・ラプターズ)帯同を名言すると、同15日のブルズ戦前にはついにシュート練習に参加し、復帰に期待を抱かせた。

 このまま行けば今月中の実戦復帰も現実的となっている八村。だが、シーズンが折り返しを迎えようとしているここから新人王への巻き返しを図るのは、かなり困難と言わざるを得ない。

 その理由は主に2つある。まずは賞を受賞するには基本的にシーズンを通じて試合に出続ける必要があるから。2000年以降だけ見ても殆どの新人王が70試合を越えるゲームでプレーしており、目立って出場数が少なかったのは2006-07シーズンに57試合のプレーで受賞したブランドン・ロイ(平均16.8得点、4.4リバウンド、4.0アシスト)と2011-12シーズンに51試合で新人王に輝いたカイリー・アービング(平均18.5得点、3.7リバウンド、5.4アシスト)だけ。ともに出場試合こそ少なかったが、オールラウンドに好成績を残している。

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最も新人王に近いのは?