あと今年の大きな変化といえば、何といってもホノルル空港で芸能人を待ち構えている日本のメディアの数が激減したことですね。一昔前までは地方局までカメラを出して、ホノルルの空港内がごった返していたんですが、今年は2社だけ。この企画って、もうオワコンだと思うんですよね。

 芸能人だってプライベートで来ているわけで、家族を連れている人もいるのに、勝手にカメラやマイクを向けて、事務所も通さず取材してテレビで放送するって、よくよく考えれば取材の仕方として時代錯誤。それが許されたのは「そうなんですよ、川崎さん」のフレーズが流行した『アフタヌーンショー』(1965年から約20年間放送されたテレビ朝日のワイドショー)ぐらいまででしょう。当時は生放送で芸能人の自宅のインターホンを押すとか、平気でやっていましたからね。

 ホノルル空港で取材する側としては、芸能人のプライベートの姿が見られて、しかも出演料はタダ。事務所の許可もいらないというメリットばかりの企画だったはずですが、今となっては本人に「撮るの止めてください」って言われれば、引き留めることもできないし、後で事務所から抗議されたらトラブルにもなりかねない。視聴者から「こんな取材は失礼じゃないか」という批判も受けるかもしれませんし。

 あの企画がウケていた時代とは、旅行事情もかなり変わりましたよね。かつてはハイシーズンにハワイに行っていること事態に、憧れや僻みの感情が湧いて、視聴者は惹きつけられていたと思うんですが、今や正月のハワイなんか日本人がめちゃめちゃいますからね。芸能人だけが羨ましがられる状況ではなくなりました。それに芸能人の旅行先だってシンガポールなどの東南アジア、ヨーロッパなど、いまや世界中に散らばっています。

 そんな中で取材を受けながら「えー、まだハワイに行ってるの?」「ミーハーばっかりだから行きたくない」って、下に見られているようにも感じています……。「年末年始はハワイです」っていうことが、今では「新婚旅行は熱海です」みたいに、ちょっと古めかしいイメージに近づいているような(笑)。

次のページ
実は知人に頼まれ…「仕事の一環」