3番・ショート フランコ(ロッテ)

 メジャーでは遊撃手としてデビューし、通算2586安打を記録。日本には90年の日米野球で初来日。その後は千葉に移転したロッテで95年と98年の2年間プレーしたドミニカ共和国が誇るヒットメーカー。構える際にバットのグリップを高く上げ、先端を投手に向けるフォームは「スコーピオン打法」と呼ばれた。日米のプロ野球だけでなく、韓国やメキシコ、晩年は日本の独立リーグで50歳を超えてもなお現役を続け、プロとして通算4259安打を記録した。

4番・DH タフィ・ローズ(近鉄)

 NPBで13年間プレーし、外国人選手では初の400本塁打を記録するなど、通算本塁打数歴代13位となる464本塁打を放ったタフィ・ローズも個性的な打撃フォームだった。天井に突き上げるようにバットを高く、水平に構えて手首を動かし、足を上げてスイングする打法は「水平打法」とでも呼ぶべきか。01年には、あの王に並ぶシーズン55本塁打を放ってチームの優勝に貢献。新記録を阻む敬遠策には賛否の声が上がった。

5番・レフト 和田一浩(西武中日

 近年は投手が投げるボールの出所が見えやすいなどの利点から、オープンスタンスは主流とも言えるが、和田ほど極端なフォームで、かつ実績も残した選手はなかなか見当たらない。左足をバッターボックスの外側のラインぎりぎりまで下げ、上半身が投手に向かって正対するように見えるほどの構えから、踏み出す際に大きく足を上げてフルスイングする。一見すると確実性に欠けるように見えるスイングだが、高い技術でプロ19年の生涯打率は3割を超えている。

6番・サード 中島宏之(西武)

 剣道の上段構えのようにバットを高く掲げ、左肩をアゴに付けるような形で構え、打つ際には左足を大きく上げてスイングするフォームは「ぶった切り打法」と呼ぶ人もいる。左肩で口元を隠すような構えは、相手の呼吸に合わせて間合いを取るために、逆に自分の呼吸を読ませないように考えた結果、と本人談。天才肌で感覚的な打撃は、あの長嶋茂雄氏にも通ずると言われており、原辰徳監督が率いた第2回WBCの優勝メンバーとなった。

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捕手は妙な形で再注目のあの選手