不安障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)、またその他の睡眠に関わる病気が関連していることもありますが、一般的には、やはりストレスを減らし、生活リズムを整えることが大切です。まずは週末も平日も毎日同じ時間に起き、同じ時間に寝て、睡眠時間を十分に確保しましょう。目安としては、未就学の子どもなら10時間、小学生なら9時間、中高生でも8時間以上の睡眠が必要です。

 それ以外の対処法としては、夢の内容を話させてあげたり、絵を描かせてあげるというものもあります。よくわからない怖いものを、具体的な形にすることで、怖さが軽減するのかもしれません。そして怖い夢の続きを一緒に考えてハッピーエンドで終わらせてあげましょう。特に小さい子どもなら、夢について描かれた絵本を一緒に読んで、夢は現実とは違うことを教えてあげるのも大切です。

 また、子どもは当然ですが、大人の場合は、アルコールの摂取にも注意したいところです。先の調査では、アルコールを摂取していない人と、前の月に1回以上摂取した人では、悪夢を見た割合はそれぞれ33.1%と42.9%でした。特に就寝前にお酒を飲むと寝つきは良くなるかもしれませんが、睡眠の質は低下してしまいます。

 今年も良い夢を見て健康に過ごせるように、お子さんやママ・パパ自身の毎日の睡眠も、どうぞ大切にしてください。

※1. Munezawa T, Kaneita Y, Osaki Y, Kanda H, Ohtsu T, Suzuki H, et al. Nightmare and sleep paralysis among Japanese adolescents: a nationwide representative survey. Sleep Med. 2011;12(1):56-64.

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森田麻里子

森田麻里子

森田麻里子(もりた・まりこ)/1987年生まれ。東京都出身。医師。2012年東京大学医学部医学科卒業。12年亀田総合病院にて初期研修を経て14年仙台厚生病院麻酔科。16年南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。17年3月に第一子を出産し、19年9月より昭和大学病院附属東病院睡眠医療センターにて非常勤勤務。小児睡眠コンサルタント。Child Health Laboratory代表

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