■マイペースで進めてOK、やりとりはメールが中心

 クライアントとのやりとりは、クラウドワークス上でのメッセージ機能を通じたものが中心。蒲谷さんの場合も、スカイプ(インターネット電話サービス)で打ち合わせを行ったケースが数回あった程度といいます。

 また、納期は指定されますが、いつどのようなペースで遂行するのかは個々の裁量に委ねられます。
 
「こちらも相手(仕事)を選べるわけですし、自分が納品した仕事に対する発注側の評価もわかるので、それを参考に改善を重ねていけば、自然と依頼も増えていきます」

 ITベンチャーの出勤日も、退勤後に記事作成や翻訳、ガイドの準備を行うことが多く、かなり多忙な日々を送る蒲谷さん。

「70歳になるまでは、今のような働き方を続けていきたい。そして、70歳になってからは現役時代とまったく違う人生を過ごしたいと思っています。いずれは、ガイドの活動が中心となってくるでしょう」

 当然ながら、定年後のライフプランは人それぞれ異なっています。ですが、登録しておけば単発の仕事依頼が続々と届くというシステムは、どのような計画を進めていくうえでも、柔軟に活用できる収入源となりそうです。(文/大西洋平)

※週刊朝日MOOK『定年後のお金と暮らし2020』より抜粋

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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